私が講師を務める総合学園ヒューマンアカデミー東京校の特別講義の一環で実現した企画です!
対象となる学生は専門学校1年生。就職に対して意識を高めていく授業「進路ゼミ」の中で、これからスポーツ、フィットネスの世界を目指す前途洋洋の若者たちに対してマッスル&フィットネスや季刊パーソナルトレーニングを発行している(有)あほうせんの河辺雄治編集長とパーソナルトレーナー澤木一貴がどのようなメッセージを発信したのでしょうか。河辺編集長から直接お話を聞くことができる貴重な機会でした!
澤木:河辺編集長は30年に渡ってスポーツ・フィットネスの日本における変遷を見てこられたのですね。
河辺:私は80年から90年に月刊トレーニングジャーナルの編集長として、現在は月刊マッスル&フィットネス編集長を務める立場からこの業界を見てきました。日本では80年代にはなかったアスレティックトレーナーやストレングスコーチが現在では仕事として成り立つようになってきました。なかったものができた、トレーナーに限らずですが、これが近年の日本のスポーツ・フィットネス事情でしょうか。
澤木:スポーツ選手のトレーナーになりたいという学生は多いのですが、就職へのアドバイスとして、僕は視野を狭くしないほうが良いと言っているのですが。
河辺:今後(学生の)みなさんがプロとしてやっていくことを考えると、すでにトレーナーが飽和しているところより、社会が必要とするところに出て行くことが必要だと思います。
澤木:確かにアスレティックトレーナーは素晴らしい仕事ですが、既に先人がいるところではなかなか求人がもらえないのが現実です。
河辺:みなさんはアスレティックトレーナーやストレングスコーチを目指してはいけない、ということではないのです。ただ、社会情勢をみて、「先を読んで」行動するとトレーナーとしての就職につながってくると思います。パーソナルトレーナーがこれからの仕事であるのがその所以です。
澤木:パーソナルトレーナーなら、得意分野を活かして仕事ができますよね。では、先を読むとは具体的にどのようなフィールドでパーソナルトレーナーは活躍できるでしょうか。
河辺:施設という発想ではなく、メタボリックシンドロームを始めとする生活習慣病や、いまや3200万人の患者及びその予備軍がいるといわれる変形性膝関節症などの疾患に対してのアプローチすることです。病院での治療が終わったけれども、日常生活で問題を抱えている人は多いというのが現実です。そんな人々のQOL (生活の質)を高めて、豊かな人生を送るサポートをするのはパーソナルトレーナーの仕事のひとつです。
澤木:私は以前、整形外科病院に勤務していたことがあるのですが、退院してすぐに完全に元の生活に戻れるわけではない、というのをよく見てきました。例えば、患者がPT(理学療法士)に習ったリハビリを、トレーニングの形で継続していただきやすいように工夫したり、継続するためのモチベーションを高めたりするのもトレーナーの仕事でした。季刊パーソナルトレーニングには、トレーナーが疾患を抱えたクライアントに関わった成功例がいくつも紹介されていますね。
つづく
*澤木の記憶から記事を起こしているので、実際のコメントと多少の相違があることをご容赦ください。
SawakiGym代表 澤木一貴