『体力おばけへの道』~92歳の方から届いた、心震える感想文~

SAWAKI GYM代表の澤木一貴です。著書『体力おばけへの道』(KADOKAWA)の発売から、ちょうど1ヶ月が経ちました。Amazonのダイエット・エクササイズカテゴリーで、いまだ1〜3位をキープしており、多くの方に読んでいただいていることに、心から感謝しています。今回、発売から1ヶ月という節目と、92歳の読者から心温まる感想文をいただきまして、コラムを書いてみようと思いました。

健康の本質を問い直す「体力とは何か?」という出発点

この本は一見、エクササイズ本のように見えるかもしれません。ですが、実際のところ、本書の中心にあるのは「読み物としての体力論」です。

私はこの本で、体力を「行動体力(動く力)」と「防衛体力(健康を保つ力)」の2つに分けて説明し、それぞれの内容とどのように向上させていくのかを解説しています。そして、どうすれば“運動を継続できるのか”、どんな工夫をすれば“やらされる運動”から“やりたくなる習慣”になるのか、という問いを深く掘り下げました。

体力は、若者だけのものではありません。それは「人生を最後まで楽しむための力」だと私は考えています。


3つのエクササイズで「動ける毎日」を取り戻す

本書では、エクササイズをたった3つに絞りました。どれも特別な器具は不要で、全年齢層・誰でも、どこでも取り組める練りに練った内容です。

  1. スタンドアップ(筋力向上)

  2. バックステップ(バランス向上)

  3. リズミカルジャンプ(敏捷性向上)

スクワット(ここではスタンドアップというエクササイズ名に)による下半身の筋力の重要性や、バランス運動(同バックステップ)が全年齢層、特に高齢者に必要なことは近年知られるようになりましたが、特に3つ目の「リズミカルジャンプ」は、書籍発売後の最新の研究で高齢者の運動能力の維持・向上において“敏捷性”が極めて重要であると報告されたことで注目されている種目です。

敏捷性は転倒予防、反応速度の維持、生活機能の維持など、高齢者のQOL(生活の質)に直結する力。年齢を重ねた方にこそ、ぜひ取り組んでいただきたい運動です。

以下の動画は、私の母(85歳)のエクササイズ風景を見ることができます。

※高齢者の運動は安全とリスクを天秤にかける必要があり、専門家の指導を受けてください。


92歳の読者から届いた「人生を楽しむ力」の言葉

ある日、父(86歳)の古い知人である92歳の方から、一通の感想文が届きました。それは、A4用紙2枚にタイプで丁寧に綴られた読後の感想でした(トップ画像が感想文)。

その方は、昭和8年生まれ。幼少期の栄養失調、戦中・戦後の生活、数度のがん手術、糖尿病、脊柱管狭窄症、膝関節症など、数えきれない病気と共に生きてこられた方でした。それでも、現在もグランドゴルフを楽しまれているという姿勢に、私は圧倒されました。

「体力は若さの象徴ではなく、人生を楽しむ力のこと」
「総じて本書は読みやすく、理解しやすいことを実感」

そう結ばれたその文章には、まさに本書のテーマが凝縮されていました。この本が、年齢を超えて読まれているという事実に、著者としてこれ以上ない喜びを感じています。


平均寿命と健康寿命の“10年の差”を縮めたい

日本では、平均寿命と健康寿命に約10年の差があります。つまり、多くの方が「人生の最後の10年間」を、誰かの助けを借りなければ生活できない現実があります。

私は、この“10年の差”を縮めたい。

そのためには、「医療」たけではなく、「予防」と「日常の体力維持」が重要になります。体力を取り戻すことで、自由に動ける期間が延びる。それが医療費削減にもつながり、社会全体の未来を守る力になると信じています。

『体力おばけへの道』が、その“最初の一歩”になってほしい。それが私の願いです。


すべての人へ「動ける毎日」を届けたい

本書のエクササイズは、上記YouTube動画のように、私の母(85歳)も実践しています。私が薦めて入会した女性専用フィットネス・カーブスに通いながら自宅で実践しています。運動が大事だということを、まさに身内を使っての実証実験です(母は動きやすい体を手に入れ満足している様子です)。

監修は、父の心臓の執刀医・循環器系内科医師の國本先生。家族の健康への思いと、ご縁が重なって生まれた一冊です。

『体力おばけへの道』は、高齢者施設や地域包括支援センター、福祉団体などでも活用され始めています。実際に「読みやすくて、現場でも使える」とのお声も多くいただいており、福祉・健康指導の場面でも役立てていただけるよう願っています。

運動が続かないのは、自分のせいではありません。方法が合っていないだけです。

運動と並んで健康・体力づくりの基盤となる食事と休養も含めて、「その人に合った方法を探す」そんなガイドにもなったらいいなと思っています。あなたに合った運動・食事・休養のスタイルは必ずあります。


最後に:すべての読者へ、心からの感謝を

『体力おばけへの道』は、決して“特別な人”のための本ではありません。今よりもっと元気になりたい。もう一度、歩きたい、動きたい、楽しみたい。そう願うすべての方へ届けたい本です。

これからも、多くの方と「動ける毎日」を共有できるよう活動してまいります。読んでくださったすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。

  澤木 一貴
  株式会社SAWAKI GYM 代表
  『体力おばけへの道』著者

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